ユージン・スミス


『「MINAMATA NOTE 1971〜2012 」 私とユージン・スミス水俣』の写真家・石川武志氏です。
石川氏はユージン・スミス氏と妻アイリーン・美緒子・スミスさんが水俣病の取材をしていた1971年から1974年までの3年間水俣で寝食を共にしています。
アシスタントであった石川氏がある朝目覚めてみると枕もとに20本のフィルムが置いてありました。スミス氏に「これは何か」と聞くと「お前も水俣を撮れ」と言われたそうです。アシスタントに同じテーマで同一の被写体を自由に撮影させることは業界の常識からは考えられない事でとても驚いたそうです。そしてその日以来石川氏も「MINAMATA」を数多く撮影することになりました。
しかし石川氏はスミス夫妻が離日した後は「水俣はユージンのテーマだから」と当時撮影した自身の写真を永く封印していました。40年後の今日に写真展開催と写真集出版に至った経緯は『「MINAMATA NOTE 1971〜2012 」私とユージン・スミス水俣』(4,500円税別)写真集に書かれていますのでそちらをご覧ください。
アイリーン・美緒子・スミスさんのことを私に話してくれていたその最中にアイリーンさんからの祝花が届きました。石川氏はとても喜びアイリーンさんからの花を手に「せっかくだからユージンの肖像の前で撮りましょう」とこの場に立ちポーズをとってくれました。
全てを先送りにして被害を拡大させた水俣病と今日の原発問題とは根本的なところで同一であると石川氏は述べています。この写真展と写真集は見る人の人生観を変えるかもしれません。
同展は2012年10月24日から11月6日まで銀座ニコンサロンにて開催しています。
(webへの写真掲載は石川氏の了承を得ています)


Camera: OLYMPUS E-PL3
Lens: W-NIKKOR.C 2.8cm f3.5
Support: Hand-held
Flash: No

水俣病は1956年に熊本県水俣市で発生が確認されたといわれています。同時期に現役であった W-NIKKOR.C 2.8cm f3.5 で石川氏とユージン・スミス氏の肖像を撮影できたことは意義深いものです。