オリンパス ズイコー


このOLYMPUS 35DCというカメラが発売されたのは1971年で今から36年も前のこと。大卒初任給が45,000円程度、国鉄初乗り30円、はがき7円、ラーメン180円の時代に28,800円で発売されています。今の貨幣価値に換算すると120,000万円ぐらいかもしれませんがこの個体はジャンク扱いで入手。


今やメイド・イン・ジャパンの方が珍しい時代になってしまいました。SEIKOの文字がありますがどのような協力関係だったのでしょうか。ちなみに当時の主な出来事は、ニクソンショック大久保清連続誘拐殺人事件、オールスター戦で江夏豊が9連続奪三振。ヒット曲は、おふくろさん、17才、わたしの城下町、花嫁、また逢う日まで。流行語は、ディスカバージャパン、ドルショック、落ちこぼれ、シラケる、バイオリズム、ニアミス、脱サラ。生まれた人は藤原紀香若乃花勝元木大介

近くの児童館で試し撮り。まず水槽のイワナをねらってみました。写真で見るよりも暗い条件下で、シャッターが下りるギリギリの露出(このカメラは撮影条件が揃わないとシャッターが下りない)でした。結果はご覧の通りでf1.7の明るいレンズが健在であることを確認できました。


次に鳥かごの巣の中の仲むつまじい二羽を撮影。目にピントを合わせて撮影したところ見事に手前のかごをぼかしながら写ってくれました。これで距離計も正常であると確認できました。

最後に最上階のペントハウス風屋根にカメラを向け太陽を意識的に入れてみました。ボディー裏面にある逆光用補正ボタンを押しながら撮影。このような悪条件にもかかわらずガラスの中の飛散防止ワイヤーが一本一本確認できるほどの写真が撮れました。

特徴と感想:f1.7という明るいレンズは様々な場面で非常に助かる。最短撮影距離が85cmなので被写体に寄ることは難しい。色の再現が豊かであり見る人によっては派手であるという印象を持つ。この個体はモルト劣化が見られたが撮影に影響はなかった。当時の技術屋さんや職人さん、組み上げた工員さんは既に第一線を退かれていることでしょうが改めて敬意を表したい。