マイナス金利の罪

「市場関係者や一般の企業の方と話をしていても、マイナス金利に不安を感じている人が多い。銀行の収益が悪化していくと、中小企業への貸し出しの余力がなくなり、かえって融資が減る恐れもある。(加藤出 東短リサーチ社長・チーフエコノミスト  朝日新聞デジタル2016年2月17日05時00分配信記事より)
元来、エコノミストマクロ経済学者という輩を信用していない(彼らを担ぐ輩も同様に)私ですが、上記の可能性が大いにある事だけは認めざるを得ない状況下にあります。
多くの会社は銀行から運転資金を調達して経営が成り立っています。無借金経営といえども銀行と無縁でいることはできません。
過日、融資を申し込み、前回と同率以下の金利回答を期待していたのですが、銀行からの第1回目の回答は前年融資時よりも0.2%金利上乗せでした。何故、の問いに銀行は「今後、コストの増大が見込まれる」と事も無げに言ってきます。
これは「マイナス金利により発生する銀行の負担分を皆さんから調達させていただきます」ということです。
でもね銀行さん、コストの増大と言うなら政府に資本注入してもらった当時のように、もう一度足下を見直してみたら如何ですか。仕入れ上昇分をそっくりそのまま販売価格に転嫁できる業種なんて銀行業以外にありません。取引相手に「コストの増大が見込まれる」などと言おうものなら「来月から他から買うから来なくて良いよ」と言われるのがオチです。